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鮮やかな緑色で、おひたしや煮物などの材料として扱いやすい小松菜。
栄養価も高く、スムージーなどにも使用されることが多いですよね!
しかし、人間にとって良い食材が犬にとってもいいというわけでもありません。はたして、小松菜は犬に与えても大丈夫な食べ物なのでしょうか?栄養成分なども詳しく確認してみましょう。
ANSWER 小松菜は犬に食べさせても大丈夫です。
小松菜には犬にとって有害となる成分が含まれていません。そのため、犬に与えても良い野菜です。小松菜は、健康な血液生成に欠かせない鉄分含有量が他の野菜より豊富なのですが、同じく鉄分を多く含むほうれん草よりもシュウ酸が少ないメリットがあります。
鉄分は取らせたい、でもシュウ酸が気になるからほうれん草は与えたくないな…という方にもおすすめですよ。
小松菜の主な成分や栄養素
鉄
鉄は、健康な血液(ヘモグロビン)を作りだすのには欠かせない微量ミネラルです。
通常、総合栄養食であるドッグフードを食べていれば欠乏することはありませんが、
- 出血
- ノミ、ダニなどによる吸血
- 病気
などで貧血気味になっている場合には、意図的に摂取させるようにしましょう。
カルシウム
カルシウムは、丈夫な歯や骨の生成に有効なミネラル分であることは有名ですよね。骨を強くして元気に暮らして、丈夫な歯でしっかり食事を楽しむという、犬の健康の基礎作りに貢献してくれます。
ただし、カルシウムの摂取量はリンやビタミンDとのバランスによって、効果に違いがあるため与え過ぎもよくありません。
AAFCOでも、カルシウムとリンの摂取量は1:1であることが理想とされています。このバランスが崩れてしまうと、食欲低下や骨の生成にまで影響を与えてしまうため、与え方には注意も必要です。
β‐カロテン
β‐カロテンは体内の酵素によってビタミンAに変換される成分です。
ビタミンAには、
- 目の網膜のケア
- 健康な皮膚生成
- 骨や筋肉の成長促進
などの作用があります。
ただし、過剰摂取してしまうと、腸炎や肝臓・腎臓の機能低下にもつながってしまうことがあるため、与える量には注意してあげましょう。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用がある成分で、体の酸化を防ぐ効果が期待できます。
また、コラーゲン生成にも必要な成分です。老化による関節の負担、たくさん運動をした時の関節ケアにも有効とされています。
ただし、ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い性質があるため、与える際に湯がきすぎてしまうと、せっかくの栄養価が低くなってしまうこともあります。茹でて与える場合、加熱のし過ぎには注意してください。
小松菜を犬が食べた際の犬への効果・影響
小松菜には、老化予防に効果的なビタミンCや、健康な皮膚や骨の生成に有効なβ-カロテン、健康な血液を生成する鉄分も豊富は野菜です。
そのため、
- 貧血気味、病気やケガ、骨折の後
- 皮膚トラブル
- 加齢とともに起こりがちな関節トラブルや代謝低下
などのケアにも効果が期待できます。
犬に与えてよい小松菜の量は?
小型犬の場合 (10kg未満) |
135~446.4g |
---|---|
中型犬の場合 (10kg以上~25kg未満) |
450g~891.4g |
大型犬の場合 (25kg以上) |
894.3g~1,150.7g |
子犬の場合※1 | 食べ慣れるまでは少量ずつ様子を見ながら与えること |
老犬の場合※2 | 消化器官・排泄機能が弱っている子には無理に与える必要はありません |
与えてよい量は、以下を想定して算出したもの
避妊・去勢手術済みの成犬
一日に必要なカロリーの10%以内と考えた場合の目安(おやつで与える際は、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量とされるため)
-
子犬の定義
小型犬は、生後9ヶ月まで
中型犬は、生後1年前後まで
大型犬は、生後1年半前後まで -
老犬の定義
小型犬・中型犬は、7歳以降
大型犬は、6歳以降
犬に小松菜を与える際の注意点
小松菜のおすすめの与え方
茹でたものを与える方がベター
犬は小松菜を生のまま食べることもできますが、与える場合には茹でたものを与える方がベター。
生のまま与えてしまうと、
- 消化しづらい
- 結石の原因になるいシュウ酸を摂取してしまう
などのリスクもあります。
サッとでかまいませんので、茹でるだけで消化しやすくなる上に、水溶性でもあるシュウ酸を減らすことができるというメリットがあるからです。犬にとって良い状態で与えるようにしておきましょう。
与え過ぎには注意!
いくら体に良い成分がたくさん入っているとはいえ、与え過ぎることのないよう注意してください。
人間と同じ食材を食べさせてあげられることや、愛犬も喜んで食べてくれる姿を見ていると、愛おしくかわいくてついつい与え過ぎてしまう飼い主さんもいるのではいでしょうか?
しかし、かわいいからこそ、適正量を守って与えるようにしましょう。
味付けは不要
人間が小松菜を食べる時には、醤油などを使用して味付けすることが多いですが、小松菜を犬に与える場合には、サッとお湯にくぐらせるだけでかまいません。塩ゆでをしないようにしましょう。
また、与える際にも、味付けは一切必要ないので、茹でた後は粗熱をとり、食べやすいよう細かく切って与えるようにしてくださいね。食いつきアップのために、少量のかつお節やゴマのトッピングする程度であれば問題ありません。
食べたがらない場合は無理に与えない
栄養価が高い小松菜とはいえど、小松菜に興味を示さない子もいます。
アレルゲン物質が多い食べ物ではないとはいえ、中にはアレルギー症状が出てしまう子もいますので、無理に食べさせる必要はありません。
こんな時は犬に小松菜を食べさせないこと
ほうれん草よりは、シュウ酸が少ないとはいえ、泌尿器に心配がある犬には与えない方が良いでしょう。
また、アブラナ科の野菜特有のグルコシノレートも含んでいるため、甲状腺機能を低下させる作用もあります。
そのため、甲状腺機能にトラブルを抱える子にも与えないようにしましょう。いずれにしても、健康状態に不安がある子の場合は、避けるようにした方がベター。
まとめ
小松菜は犬に嬉しい成分も豊富で、食べても害がない野菜です。
ほうれん草と似ている印象がある小松菜ですが、ほうれん草の弱点を克服している野菜でもあります。上手におやつやトッピングアイテムとして活用してみてくださいね。
ただし、与える量はあくまで目安であって、運動量や年齢、普段の生活状況、体質などによっては異なります。
少なめの分量で与えることからスタートして、愛犬の様子を見ながら量を調整するようにしましょう。
Advisor
Yuka Torikai
愛犬に涙やけと皮膚のフケが出たことをきっかけに、犬の食べ物や栄養学を学び始めました。
- 犬の管理栄養士
- 犬の管理栄養士アドバンス
- 犬の行動生活アドバイザー
の資格を取得しており、生活と食事、運動の関係を大事にしています。今後は東洋医学・薬膳についても学んでいこうもくろみ中です!
現在、各ご家庭やわんちゃんに合わせたドッグフード選びのアドバイスもしており(https://dog-food-advisor-295.com/)、少しでもドッグフード選びにお困りの飼い主さんのお力になれたらと思っています。