茨城県大洗港発のフェリー「新さんふらわあ ふらの」。
これが私たちを念願の北海道に運んでくれるフェリー。
フェリーターミナルで乗船手続きと検温を済ませた後、誘導に従って乗船。ペット連れの車は、他の車よりも先に誘導してくれるようでした。
出航すると車に戻れないので、フェリー内の駐車場で、さっちゃんのご飯や薬、ぬいぐるみなど、絶対忘れてはいけないものを入念にチェック。
駐車場から客室までは、事前に申し込んでいたペットカートを借りて(無料)、エレベーターで客室にあがります。
エレベーターで一緒になった旅好きのご夫婦や、柴犬と暮らしているという自衛官の方から「かわいい」「いい子だ」などベタ褒めされるさっちゃん。
ワンコが一緒だと、知らない人とも会話が生まれる。
まさにワンコ旅の醍醐味ですよね。
大型犬と北海道に行く交通手段は、飛行機かフェリーのみ。
飛行機未経験で、且つお留守番が大の苦手のさっちゃんの性格を考えて、時間はかかっても同室で一緒に過ごせるフェリーを選択しました。
予約した客室は、オーシャンビューのスーペリアウィズペット(4名定員)。
思っていたよりも広くて、小さな冷蔵庫や電気ポットもあります。
トイレシートやコロコロ、フードボウルなども各部屋に用意され、至れり尽くせり。
給湯室に行けば、電子レンジも自由に使用できます。
(手作り食の人には嬉しいですよね)
お部屋にネット環境はありません。
必要な時は、ラウンジに行ってフリーWifiを利用すればよいそうです。(安定性にはまだかけるそうですが)
そして何よりも嬉しいのは、自由に遊べる屋根付きドッグラン(夜間は閉鎖)!
外気を吸いながら、軽い運動やストレス解消にオススメ!おしっこを流すシャワーやうんち専用ゴミ箱もあるので、シートでトイレができない子には嬉しい設備だと思いました。
約18時間の航海を経て、翌日の午後、苫小牧港に無事到着。
私にとっても、さっちゃんにとっても初めての北海道は、とにかく空が高い!
童話の世界のような白樺の林をドライブしながら、
早速宿泊先「スノードッグビレッジ」があるニセコへ。
シニア犬との旅はできるだけ、同じ宿泊先にした方が環境の変化というストレスを軽減できるので、北海道にいる3日間、スノードッグビレッジ で連泊。(嬉しい連泊割引もあります)
ここはホテルというよりもコンドミニアム。
キッチンには大型の冷蔵庫、基本的なキッチン用品は全て揃っており、大型の乾燥機付き洗濯機もお部屋にあります。
おかげで、いつもと同じ手作りご飯をさっちゃんに作ってあげることもでき、また滞在中2回洗濯もできました。
ネット環境も万全なので、最近よく耳にする「ワーケション」にはピッタリなお宿です。
ちなみに私たちが泊まったお部屋は、3階の1ベッドルームです。
ただエレベーターがないので、希望すれば1階のお部屋にしてくれるようです。
寝室にはキングサイズのベッドと大型のクローゼットが完備。
宿に到着した日は、敷地内にあるドッグランでリフレッシュ。
暗くなる前に、車で20分ほど先にあるスーパーへ買い出しに行き、この日の予定は終わり。
「いつもなら、この時間もパソコン前で仕事しているな〜」など考えながら、ゆったり流れる贅沢な時間を堪能した北海道1日目でした。
さっちゃんも食欲・元気共に変わらず、いつものようにズーズーと爆睡。
翌日、車で約20分のところにある「ニセコアンヌプリ国際スキー場」へ。
「愛犬とゴンドラに乗って、空中遊泳!」というキャッチコピーに惹かれて、喜び勇んでゴンドラに乗り込みました。
が、想像以上にいきなりガタンと大きく揺れて動き出したのに、私もさっちゃんもびっくり!
「うわ〜、失敗した!」と思っても、もう時遅し。ゴンドラはまさに空中遊泳の真っ最中。
揺れる床に震えながら、はいつくばるさっちゃんを膝の上に抱きかかえ、「ごめんね、こんな揺れると思わなかったよ」とひたすら謝り続ける私。
少しでも安心させようと、とっさに歌いだした曲は「は〜るのうららの隅田川♪」。
秋の北海道でなぜこの歌を選曲したのか、自分でもよくわかりませんが、とにかく熱唱し続けました。
往復20分の空中遊泳と独唱会。
「失敗したよ〜」と私自身かなり凹みましたが、ゴンドラから降りるとさっちゃんはケロっとしていたので、少し安心しました。
汚名挽回ということで、ゴンドラの次に向かったのは、本格的装備をしなくても気軽にトレッキングが楽しめる「神仙沼」へ。
無料の駐車場に車を止めて、木道をのんびりと歩き続けます。
途中、階段ありコースと階段なしコースと分岐があったので、階段なしコースへ。
さほど大きな勾配もなく、片道30分ほどかけて木々の間を歩くと、いきなり視界が開けて、神秘的な湿原が目の前に広がります。
透明度抜群の沼地に映り込むのは、真っ青な空と赤や黄色に染まった山々。
「ああ、この景色をさっちゃんと見たことは、一生忘れないだろう」
少し感傷に浸りながら、沼のほとりのベンチに腰掛け、しばらくの間、北海道の雄大な秋を心に刻みました。
土曜日ということで、家族連れやハイカーで賑わっていましたが、やっぱりここでも犬が一緒にいると、いろんな人が気軽に声をかけてくれます。
大体、聞かれることは犬種と年齢。
そして皆さん口を揃えて言ってくれるのが「元気でね。長生きしてね」の一言。
犬は、知らない人の心の扉をカチャって開けることができる不思議な生き物ですね。
今回の旅のもうひとつの目的は、私が描いたイラストがリハビリ室の壁画になっている「厚別ひばりクリニック」を訪問することでした。
お仕事の依頼を院長先生からいただいたのが、1年前。
2020年秋に開業する病院のリハビリ室の壁にセツサチアキさんのイラストを描いて欲しいと。
そんな院長先生の患者様に対する思いに共感し、心を込めて描いたイラストです。
実際に壁一面に広がるイラストを見た時は感無量でした。
ひばりクリニックの院長先生と。
ドキドキしながら、真っ白な壁にサインをしました。