セツサチアキのワンコが読む絵本 Onestory 第16話盲導犬にならなかった子

「え？ラブさんは盲導犬訓練センター出身だったの！？」

「すご〜い！」「でも短い間だけで…」「ねえ、ねえ、どんな勉強したの？」

「止まって段差を教える訓練とか」

「障害物をよけて歩く訓練とか…」

「へえ、すご〜い」「でも…」

「ぼくは人混みに行くと、すごい緊張してしまう性格だったから」ドキドキ

「盲導犬になれなかったんだ」

「それは違うよ」

「え？」「ラブさんは盲導犬に『なれなかった』のではなく」

「盲導犬に『ならなかった』のですよ。」

「だってラブさんは自分に合う家庭犬への道を選んだんですから」

「家庭犬も人間を幸せにする大切なお仕事ですよ！」「あ、盲導犬さん！」

「ラブさんを家族に迎えたことで皆んなが幸せになっていませんか？」「確かにママが言っていた！」

「ぼくを迎えてから家族全員でのお出かけが増えたって。」

「うちのお母さんも私と暮らしてからご近所のお友達が増えたって！」「うちのパパはたくさん散歩行くから健康になったって！」

「そうか。ボクはボクらしくいられる道を選んだ事に胸をはっていいんだ！」「その通り！」

「皆さんのように全ての家庭犬がハッピーになれば、きっと盲導犬に優しい社会がうまれるでしょうね」

「ということで4月26日は『国際盲導犬の日』なのでクッキーを焼いてみました」「わ〜盲導犬の形だ！」

ドン！「え？」

「うまっうまっ」ガツガツ！「ひえ〜」

「食いしん坊は盲導犬の適正に関係ないのね」「マスターおかわり！」