DCC(DOG CREATIVE CAMP)は、
ワンコライフをよりいろどり豊かにしてくれるクリエイティブな
モノコトをご紹介していくシリーズです。
新しいワンコライフをクリエイティブする情報をお届けしています。
羊毛フェルトでワンコを作ってみよう!
今回は前回に続き、おうち時間で楽しめるワンコクリエイティブ企画です!
愛するワンコそっくりの立体やチャーム、刺繍などを、羊毛やワンコの毛を使って作る「羊毛フェルト」をご存知ですか?テレビや雑誌でも多数作品が紹介され、これまでに1,000人以上にその魅力を伝えてきたHEUREUX CHOUCHOU(ウールーシュシュ)の代表、えのきぞえ けいこ先生が開催する教室を訪問し、羊毛フェルトの作り方を伺いました。
※コロナ禍にあり受講者数を減らし、みなさんマスク着用、入室時の消毒を徹底し、机には衝立を立てるなど感染対策をしっかり行いつつ教室を開催しておられました。
えのきぞえ けいこ先生
HEUREUX CHOUCHOU(ウールーシュシュ)/ 代表
えのきぞえ先生が
羊毛フェルトを始めたきっかけ
愛犬のゲンタ君を亡くしてペットロスだった15年前、テレビで見た羊毛フェルトに興味を持ち、その当時の羊毛フェルト第一人者の先生の下で習い、虹の橋を渡った愛犬を思いながら羊毛を刺して作品を作る時間を設けることで、その死を受け入れることが出来るようになったそうです。
抱っこしているのは先生の作品。小さめの立体(左)は保護団体のくるり君がモデル。
愛犬マリちゃん(右)は元保護犬で、繁殖犬として何度も出産した経験があるから、とおっぱいもリアルに再現。半年ほどかけて完成させました。
羊毛フェルト作りに
欠かせない道具
今回、取材させていただいた教室は、羊毛フェルト歴10年という生徒さんから初心者の生徒さんまでいらっしゃるプライベート教室。皆さんそれぞれに現在作っている作品のモデル犬猫の写真を見ながら、羊毛フェルト専用の針を一心に動かしていました。愛犬、愛猫をはじめ、お友達のワンコやペットロスになったお知り合いのためなど、作品のモデルは様々です。
「もっと頭に丸みを持たせるように羊毛を刺しましょう」「写真のワンちゃんは左を向いているので右側の目の周りはボリュームを持たせましょう」「毛の流れを意識してマズルの部分は上下左右に分けて進めましょう」「毛を立てるように刺すにはV刺しで」など、えのきぞえ先生は生徒さんたちの席を順々に回りアドバイスをしていきます。
羊毛フェルト作りに欠かせない道具は、羊毛ウール専用の針。この針は先端に細かく「返し」が入れてあり、刺すことで羊毛が絡んでいきます。
土台に羊毛の毛束を乗せ、専用の針でチクチクすることで土台から抜けなくなるのが基本。この「植毛」を繰り返すことで立体感のある作品が完成します。
立体を作る
えのきぞえ先生は足が長い、マズルが低いなど、そのモデルとなる犬の細かな特徴を反映した型紙を作成し、生徒さんたちはそれに沿って針金とウールで土台を作っていきます。生徒さんによると、「えのきぞえ先生のお教室では個々の犬の特徴を掴んで教えてくださるので、骨格から体型までうちの子そっくりに作れます!」と仰っていました。
そして表面に刺していく羊毛の色合わせも、えのきぞえ先生が全て準備してくださいます。羊毛フェルトに向いている毛を探し、様々な毛質ごとに犬の色に合うように染色しているそうです。
また、在り物の羊毛だと単色になり立体感が出ないので、用意された羊毛を特別な道具を使って調合していくと、本物の犬の毛のように自然な色合いに仕上がります。
えのきぞえ先生は「納得いかないで作成しているとテンション下がっちゃうからね!」と、色合いも納得いくまでその場で調合し直していました。
中には、愛犬の毛をトリミングサロンからもらってきて刺している方や、亡くなったワンちゃんの毛を預かり作品にする方も。
皆さん「やっぱり本物もいいね」「触った時の質感が違うね」と口々に話しておられましたが、硬くてうまく絡まない犬の毛を刺すのは、かなり難しいそう。
初心者の方でも羊毛に混ぜ込むことで刺しやすくなるので、虹の橋を渡ってしまった愛犬の毛を残している方は、よく撫でる頭や背中の部分などに犬の毛を植毛する場合も多いそうです。
刺繍を作る
まず写真をキャンバス地にトレースします。そしてモデル犬と見比べながら絵の具のように色とりどりの羊毛をキャンパス地に刺していきます。
「この色合わせが重要で、先生にしかできない!」と生徒さんはおっしゃっていました。この色はどこに使うのだろう、と不思議に思う羊毛が配合されているそうですが、刺していく中で、先生のアドバイスを受け「この部分にこの色を使うとリアルなんだ!」と驚かれるそう。
そして陰影の入れ方にもこだわります。犬の毛にもトップコートとアンダーコートがあるように羊毛も使い分け、毛艶を出すための羊毛は最後の仕上げに刺していくそうです。
刺繍には、2Dと3Dがあるそう。2Dは半立体の作品で目を刺繍にするか、人形用の素材を使うのかによっても風合いが変わっていきます。目の色にこだわり、愛猫の目も刺繍している方は、ご自身の作品をバッグにアップリケしていらっしゃいました!
生徒さんの中には、粘土を使って目や鼻などのパーツを自作し、羊毛で作った全体的に飛び出る3D作品に付け加えている方もいらっしゃいました。
ネイリストをされている生徒さんが作った歯は本当にリアルでした。
刺繍やウールで各パーツを作ると柔らかく温かみもある作品になりますが、このようなパーツを加えるとよりリアルに仕上げることも出来るそうです。
どの作品も教室の開始時から比べると、どんどんリアルになっていくので驚きました。
最後は先生と一緒にブラッシュアップ!
生徒さんからは「先生が仕上げをしてくれるので、よりリアルになるんです!」とのこと。先生の特別なテクニックで作品に命が吹き込まれていきます。ポイントはアイラインと瞼の作り込みだそう。
生徒さんの作った作品をご紹介します!
生徒さんの慣れや作品の大きさによって完成までの時間は異なるそうですが、立体の場合でも月一回の教室を半年間(6回)参加すると完成させることが出来るそうです。
亡くした愛犬が完成すると、生き返ったようだと涙する方も多く、講師の先生、教室の皆さんももらい泣き。お友達に差し上げると、毛がふさふさした感触は写真や絵では得られないと大変喜ばれるそうです。世界で一つだけのハンドメイドはプレゼントにもぴったりですね。
最初からプライベート教室や、カルチャースクールのお教室に参加することも可能ですが、まずは羊毛フェルトを一度体験してみたいという方を対象に、2時間半~3時間半でお顔チャームを作ることが出来る1dayレッスンも開催しています。最初は「不器用なので自信がない」と多くの方が仰るそうですが、講師の先生がしっかりサポートくださるので楽しみながら愛犬そっくりのチャームが完成すると「次は本格的な立体にも挑戦したい!」という感想も多いそうです。
えのきぞえ先生のお教室には、ペット同伴可能な教室もあるので、一緒に参加してワンコそっくりの立体や刺繍作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?自分で作るのは難しいという方は、ワンコの写真を送ってオーダーするサービスも受け付けておられます。
羊毛フェルト教室の中でも、楽しさやアットホーム感は一番!と言われる教室のスケジュールなど詳細はHEUREUX CHOUCHOU(ウールーシュシュ)のホームページをご覧ください。