セツサチアキのワンコが読む絵本 Onestory 第33話盲導犬が引退する日

「アンディさんおつかれさまでした」

「うわ！マスターありがとう！」

「え？誕生日？」「アンディさんが昨日盲導犬を引退したんです」

「ホントだ！ハーネスがない！」

「引退するってどんな気持ち？」

「正直寂しいです」

「いつでもどこでも一緒だったお母さんとお別れするので」

『アンディにはもうハーネスの必要はないんだよ』

『アンディ今までありがとう』

『最後に最高のプレゼントを送るね』「お母さん」

「最高のプレゼント？」「ボクにもその意味がまだよくわからなくて」

「引退後はどうなるの？」「今後盲導犬訓練士さんが新しい家に連れていってくれます」

「お母さんと訓練士さんが決めたからきっといい家です」

数日後・・・ ガタガタ

ガタガタ ZZZ・・・

ガバッ

クンクン クンクン クンクン

この匂い！ハッハッ

あの公園！ハッハッ

ここ知っている！ハッハッ

ガチャ 『アンディついたよ』

あ！

パパ、ママ！

ダッ！

走るアンディ

子犬だった頃の気持ちになりパパとママに向かって走るアンディ

『アンディおかえり！』

『アンディ十年ぶりだね』

お母さんからの最後のプレゼントは

子犬の頃に暮らしたパピーウォーカーのお家へ戻すことだったんだね

ボクはたくさんの人に愛されて

本当に幸せだよ