【DOG CREATIVE CAMP】
vol.12 世界にひとつだけのatelier mekoさんの「うちの子 ワンコカゴ」。愛犬バックがインスタを通じ、多くの愛犬家に愛されるバックに

DCC(DOG CREATIVE CAMP)は、
ワンコライフをよりいろどり豊かにしてくれるクリエイティブな
モノコトをご紹介していくシリーズです。
新しいワンコライフをクリエイティブする情報をお届けしています。

vol.12 atelier mekoさんのうちの子 ワンコカゴ

今回のDCCは、知る人ぞ知るワンコカゴバックのブランド「atelier meko(アトリエ メコ)」さんのクリエイティブストーリーです。
インスタで何度も見かけていたatelier mekoさんのバック。今回取材させていただけることになり、新幹線で高崎に向かう途中、こんな可愛いバック作られてるのはどんな可愛らしい女性なんだろう、と編集部メンバー同士で話しながら伺いました。ショップの横に停められた素敵な車のプレートには「MEKO」の文字が。外から見えるバックの陳列に心躍らせながら中に入ると、フレンドリーで優しそうな男性の方が出迎えてくださいました。
今回の取材でこれが編集部一番の驚きでした。実は、この愛らしいワンコバックを生み出されている「atelier meko」のオーナーの志田さんは男性の方だったのです。

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うちの子 ワンコカゴができるまで

ワンコカゴのイメージから、女性の方が作られているのかと思っていたので、驚きました!

そうですよね。購入者さんやお取引先の人にも、よくビックリされます。
電話にでると「え!女性じゃないんですね!」と言われたり、お取引先の方と駅で待ち合わせても全く気づかれなかったり(笑)。インスタなどでは絵文字やスタンプもすべて男性のものを使っているんですけどね。やっぱり女性と思われている方が多いですね。

そうですよね(笑)。どのような経緯で「うちの子 ワンコカゴ」を作ることになったのかお伺いできますでしょうか?

元々は、革製品製造を東京メーカーさんの下請けで実家で行っていたのですが、時代の流れとともにメーカーさんが生産ラインを中国など海外に移されて仕事が減ってしまったんです。
それで12年前に革製品のオーダーバックのお店を立ち上げたんです。その当初からこのワンコカゴに使われているアフリカの「サイザルカゴ」も置くことにしたんです。そして、このサイザルカゴも、持ち手の部分やポケットに皮をつけるオーダーバックにして販売していました。
もちろん最初はオーダーでつくる皮バックがメインだったんですが、オーダーのパーツを頼んでいる方が「ワンちゃん飼っているんだったら、愛犬のワンちゃんのモチーフをつけたバックも作ってみたら?」と提案してくれて、うちのワンコのを作ってお店に一つだけ作って置いてみたんです。
そしたら、「これ売り物ですか?」とフレブルの飼い主さんたちにポツポツ売れるようになって、他の犬種も作ってみようかなと思ったのが始まりだったんです。

今メイン商品になっている
ワンコのサイザルカゴ。

壁に貼られた白黒のフレブルが
ワンコカゴの始まりになった愛犬ドゥーくん。

最初はフレブルのみだったんですね。

そうなんです。短毛犬種なのでまだ初期は平面で作っていたんですよね。そこからいろんな犬種を再現するために、さまざまなタイプの毛糸や色などを集めるようになりました。トイプーなど、綿を入れて立体でリアルな形に近づいていきましたね。今でも毛糸などのパーツは常にチェックしています。季節によってなくなってしまう毛糸もあるので、ある時は毛糸を100個単位で仕入れています。これがないとうちの仕事が成り立たないので。

ショップにはさまざまな色の
毛糸が大量に。

毛糸の種類も犬種を表現するためにいろんなタイプが。

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インスタの広がりと購入者さんの投稿が後押しになり、ワンコカゴがメイン商品に

アトリエメコさんというと、ワンコカゴというイメージなのですが、今はワンコカゴの割合は、どのくらいなのでしょうか?

もう今では98%がワンコカゴのオーダーです。正直このワンコカゴを始めてなかったら、もうこのショップはなくなっていたと思いますよ。
コロナ禍に周りのセレクトショップさんなどみなさん厳しいとおっしゃってたのですが、有難いことに、コロナが広まった2019年はワンコカゴは過去最高の注文数でした。おかげさまで半年間くらいお休みはとれなかったんですけどね(笑)。でも2〜3ヶ月、楽しみに待ってくれているお客さんがいるのでね。頑張れました。

コロナで厳しい時期に、すごいですね。そのくらい愛犬家さんに支持されているんですね。中袋をつけられたり、名前をいれられたり、後ろ姿をいれられたりとカスタムできるパーツが多くて、本当に「自分だけの愛犬バック」が作れるのが嬉しいですよね。

最初は、顔と持ち手の皮カバーくらいだったのですが、「どうしても中袋つけたいです!」「後姿もつけたい」などリクエストに応えているうちに、今の形になりましたね。

バックファンの方と一緒に進化してきたんですね。ワンコのお顔の再現性も高くて驚きますが、ワンコバックはどのようなフローで作られているのですか?

フルオーダーだとパーツごとに3工程くらいに分かれます。私は持ち手に選んでいただいたカラーの皮を縫い付けて、次にワンコの顔を毛糸で作る職人に、その次に中袋をつける方にと渡っていきます。ワンコの顔はやっぱり似せてあげたいので、途中でチェックして「もっとここの毛はこうして」など調整してもらいながら作っています。

このバックはいろんなプロの方の作業を経て出来上がっているんですね。ここまで丁寧に作っていただけてるとインスタなどでシェアしたくなる気持ちも納得です。

そうですね、本当にインスタのおかげというところがあります。製作したバックをインスタで紹介し始めて、購入してくれた方達もインスタでシェアしてくれたりして、広告も一切出していないのですが、嬉しいことに自然にどんどん裾野が広がってくれました。

製作されたワンコとバックで溢れるアトリエメコさんのインスタグラム

インスタと実際に購入してくれた方が後押しになったんですね。
今では東京や大阪などでも受注会を展開されていますよね。

はい。東京だと世田谷のDogLifeDesignさんや、大阪だと阪急さんや阪神百貨店さんなどで受注会を開催していますね。
実は、この流れは、たまたま高崎の高島屋にきていた催事を担当している会社の方が、夜にショップにいらっしゃって、「このバックをうちに売らせてくれませんか?アパレルのメルローズの直営店で受注会をさせてください。」と声をかけていただいたのがきっかけだったんです。
今でも最初に受注会をした川口のメルローズさんとは付き合いがあります。皮バックのオーダーで受注会をしたのですが、こちらもやはり圧倒的にワンコカゴの受注が多くなって(笑)。ワンコカゴを何ヶ月も待ってくれる方が出る状況となってしまったので、皮のオーダーバックはやめることにしたんです。

事業をワンコメインにシフトさせてしまうほど、「ワンコカゴ」にはパワーがあったようです。

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ワンコカゴの最初のモデルになった
愛犬ドゥーくんのこと

ワンコカゴのきっかけになったフレブルのドゥーくんについて教えていただけますか?

犬は、子供の頃から常に一緒に暮らしていたんです。ただ、一度飼っていた、ゴールデンレトリーバーが亡くなって、雑種は一頭いたんですけど、もう犬と別れるのが辛くて、新しい子はもういいかな、と思っていたんです。
そしたらある日、テレビのはなまるマーケットに槇原敬之さんが出演してて、8匹のフレンチブルを暮らしているのを紹介していたんです。それで、フレンチブルってこんなに可愛いんだと思って、一度店にいったんですけど、近くのペットショップに「フレブルいますか?」って電話してみたら、今日3匹入ったって。それで午後は店を閉めてそのまま白黒のフレブルをその日に迎えました。
家族には何も言ってなかったので、「なにしてるのー」と言われましたけど。中学生だった子供達は「可愛い!可愛い!」って喜んでくれて。それが、「ドゥー」です。
雑種がいて、その次の子なので、フランス語で2番目の「ドゥー」って名付けたんです。それで、またペットロスになるのが嫌だから2年後に、同じくフレブルのロビンを迎えました。
ドゥーは6歳で夜中に突然呼吸困難になって、深夜にいろんな動物病院に電話をしたんですが見つからなくて、そのまま息を引き取ってしまいました。

突然は辛いですね。6歳だとまだまだの年齢でしたよね。

そうですね、2〜3歳頃から白黒だったのがだんだん色が抜け始めて、元々老化の早い子だったのかもしれません。ドゥーはお散歩もいつも同じコースでうんちをしたらすぐに帰りたいっていうような神経質な子で、ロビンは全く逆の天真爛漫な性格で、面白かったんですよね。私も落ち込みましたけど、ロビンもドゥーがなくなった後、ずっとドゥーを探していて。。。だめですね、思い出すといまだに涙がでます。

大切な家族だったドゥーくん。今ではたくさんの愛犬家の方に愛され続けているワンコカゴは、今でも志田さんとドゥーくんを強く繋いでくれている気がします。

ワンコカゴのモデルになった
ドゥーくん

弟のロビンくん

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ワンコカゴを飼い主さんの手元に届けるという仕事の喜び

今後、新しく取り組んできたいことなどはありますか?

何か新しいことをというよりは、今はとにかくワンコカゴですね。たくさん待ってくれている方がいるので、まずは一つ一つしっかり製作していかないと。
ワンコカゴは、今いる愛犬だけでなく、愛犬を亡くした方からのオーダーもとても多くて、そんな方に届けると「うちの子がうちに戻ってきたみたい」と喜んでいただけて、本当にやってて良かったなと思うんです。
以前にも余命4ヶ月と診断されたワンコのオーダーをいただいて、たくさんオーダーが溜まっていたんですけど、なんとか早くとどけようって1ヶ月くらいで製作したんです。だけど、届ける前に飼い主さんから亡くなったという電話をいただいて、その時は車の中で泣きましたね。
それでも、ワンコカゴが届いて飼い主さんに本当に喜んでいただける瞬間があるので、やっぱり作ってよかったなと思うことが多いんですよね。

いろんな思いでワンコカゴを心待ちにしている方がいらっしゃるんですね。
ただただ可愛いだけでなく、虹の橋を渡った愛犬とも、いつもバックを持ち歩くことで、一緒にいる気持ちになれたり、本当に素敵な時間をくれるワンコクリエイティブだと思いました。

atelier meko Information

公式サイトはこちら!

インスタで最新の作品がご覧いただけます。

MESSAGE

今回は、インスタで人気の「atelier meko」さんのワンコカゴのストーリーでした。最初お会いした際には男性であることに驚いたのですが、話していると何度もワンコの話で涙ぐむ瞬間が。根っからのワンコ好きで、そんな志田さんが、愛犬になるべく似るようにと四苦八苦しながら作るバックだからこそ、こんなに愛犬家の心に響くのだなと改めて感じました。
このワンコカゴを手にした人がまた次の人で感動を伝えることで広がっている、ワンコカゴの輪。この素敵なクリエイティブをワンコnowaもこれからも応援していきたいと思います。志田さん、素敵なお話を本当にありがとうございました。

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