【DOG CREATIVE CAMP】
vol.11 生きてるうちにやりたいことはやってしまえ！あくなき創作意欲が生みだす多種多様なワンコクリエイティブ

長期の入院を経験されている藤井妙子さん（詳しくは前回の記事で）、半年間も絶食で点滴のみで過ごしたことも。
「気が狂いそうになりますよ。それで絶食の辛さを紛らわすためと、もうだめなら娘に何か残したいという思いからクレヨンで猫やうさぎを描いたのが、今思うと動物の絵を描き始めたきっかけだったと思います。」
その後再婚した藤井さんは、建築士で日曜大工も大好きな旦那さんと一緒に、趣味で作ったカントリー家具や動物の絵を持ってフリーマーケットに出るように。
「たまたまそこに来ていた方に『うちの猫の絵を描いて』とお願いされて、お宅にお邪魔したら、ペルシャ猫のブリーダーさんで、見たこともない綺麗な猫が出てきたんです（笑）。そこで初めて、猫の図鑑などを買い本格的に猫の絵を描きましたね。依頼されたのが、キャットショーの看板だったんですが、その絵を見た他の猫のブリーダーさんたちから『私も描いて欲しい！』というオーダーがきはじめたんです。」
この猫の看板が「ぽちずかんぱにぃ」のスタートになったそう。

今回、取材にお伺いして驚いたのが、藤井さんの創作意欲の高さ。ワンコ作品以外にも、家の家具など、様々なものが、藤井さんご自身の手作りだったのです。
「家の家具なんかも、軽井沢の別荘で使わなくなった中古などをもらってきてリメイクしたりして作っていますし、家の庭の柵やウェルカムボードなどもフライパンなどを再利用して作っているんです。窓枠なんかも真っ赤に自分で塗って。買い物に行ったりなんかすると、これもしかして私でも作れるんじゃない？とすぐ考えてしまうんです。」

柵やウェルカムボードなど全て藤井さんの手作り

壁にはこれまで家族に迎えたワンコたちの骨壷コーナーが作られています。

ぽちずかんぱにぃさんの作品のラインナップは、食器からウェルカムボード、キーホールダーや人形まで多岐にわたります。この多種多様な作品作りが特徴で、その理由を取材でお伺いしようと思っていたのですが、今回お話を聞けてスッキリしました。
藤井さんは、ワンコだけでなく、ものづくり自体を本当に愛されている方だったのです。

「食器を作ってみたいと思ったら陶芸を習って、食器に絵をつけてみたいと思ったら絵付けを習って、ステンドグラスの箱を作りたくなったら、ステンドグラス作りと旦那さんに電動工具の使い方を習って、という感じで何でも作ってみちゃうんです。」
本当に作品の幅広さと、その一つ一つのクオリティの高さに驚かされます。そんな藤井さんの創作意欲はどこから湧いてくるのでしょうか。
「私は工作屋さんなんです。アーティストだったら一つのものを極めるんだと思うんですが、私は本当にただの工作屋で、なんでも作りたいんです。難病や癌を経験してるので、生きてるうちにやりたいことやってしまえ！という感じで作りたいものを作ってますね。」
これまでの辛い経験が今の創作意欲の源泉で、だからこそどの作品も生き生きと生命感に溢れているのかもしれません。

新しい作品はどのように生まれているのでしょうか。
「ワンコデザインの可愛いお皿があればいいのに、とか、可愛いワンコのウェルカムボードがあればいいのになど、飼い主として自分が欲しいワンコアイテムを作っています。それを見た方から、『うちの子のも作って』と仰っていただくことが段々と増えて、今に繋がっていますね。大型犬３頭と中型犬６頭の家族がいるので、少しでも食費や医療費になればいいかなと。」
１頭でも大変ですから、９頭ともなるとその大変さは容易に想像できます。改めて９頭のお世話をしながら、こんなにたくさんの作品を生み出されている藤井さんに頭が下がる思いでした。藤井さんのワンコ愛が詰まった作品が、ワンコたちの幸せにもつながる、素敵なループができているようです。

ちなみにお写真は藤井さんが引き取っている子にたまたまバーニーズ・マウンテンが多いため、バーニーズのものが多いのですが作品自体は「お皿をうちの子で描いて下さい」という形でオーダーすると、ちゃんと自分の愛犬の絵で描いてもらえますので、ご安心を。
作品のラインナップはぽちずかんぱにぃさんの公式インスタの方にたくさん掲載されておりますので、欲しいものがあれば是非愛犬のオリジナル作品をオーダーしてみてください。