犬は馬肉を食べても大丈夫?|犬に馬肉は与えていい?食べてはいけない?

犬は馬肉を食べても大丈夫?|犬に馬肉は与えていい?食べてはいけない?

最近、馬肉を主な原材料として使用しているドッグフードが様々なメーカーから販売されていたり、犬用に加工した馬肉のジャーキーやおやつなどを提供している店舗が増えつつありますね。

愛犬の健康ためにも馬肉を与えることに関心がある飼い主さんも多いのではないでしょうか?

よってこの記事では馬肉の栄養素や犬に与えることによって期待できる効果、犬種や年齢による適切な量、さらには与えるときの注意点などを解説していきたいと思います。

ANSWER 馬肉は犬に食べさせても大丈夫です。

馬肉を使用した犬用のドックフードやジャーキーなどといった様々な商品が多数販売されていることからも、馬肉は犬に与えても大丈夫な食べ物となります。

そもそも犬用缶詰フードは1990年代の初頭にアメリカ人の馬の仲買人が馬肉を人間用の食用に加工した際に、余った残りの馬肉を缶詰にしてドックフードとして販売することを思いついたことが始まりといわれています。このことから、私たちが思った以上に犬にとって馬肉は昔から馴染みがある食べ物となりますね。

Photo by @teto.chihuachs

馬肉の主な成分や栄養素

タンパク質

臓器や血液、被毛、皮膚などといった体そのものになるだけではなく、酵素やホルモンなど体の機能を調節する役割を果たしているタンパク質が牛、豚、鶏と同程度の量、含まれています。

ただ、これらの肉と比べてカロリーは100gあたり110kcalと牛や豚のおよそ3分の1、脂肪分はおよそ5分の1と、高タンパク、低脂質といった特徴があります。よってダイエットが必要な場合や代謝の低下した高齢犬の肥満予防にも適しているといわれています。

不飽和脂肪酸

馬肉の脂肪分にはオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸、オメガ6脂肪酸のリノール酸、オメガ9脂肪酸のオレイン酸といった必須脂肪酸が含まれています。これらの脂肪酸にはコレステロール値を下げて血液の流れをよくし血管を丈夫にする効果や動脈硬化を原因として発症する脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを軽減するなどの効果があるといわれています。

カリウム

過剰なナトリウムを排出することなどによって、血圧の安定やむくみを解消する効果があります。また、神経刺激の伝達やエネルギー代謝においても重要な役割を果たしており、さらには心機能においても欠かすことのできない栄養素です。

カルシウム

骨や歯の健康な成長と維持に欠かせない栄養素であるとともに神経の興奮を抑える効能もあるカルシウムですが、馬肉には牛肉や豚肉の3倍も含まれています。

馬肉を犬が食べた際の犬への効果・影響

犬に馬肉を与える一番のメリットは低脂質・低カロリーでありながら、良質なタンパク質を摂取することができるという点になります。

また、馬肉に含まれるアミノ酸や鉄分、亜鉛の量は他の牛、豚、鶏よりも豊富であり、どれも健康維持には欠かすことのできない栄養素ばかりなので、愛犬に元気で長生きしてもらうためには積極的に取り入れたい食べ物ということもできるでしょう。

犬に与えてよい馬肉の量は?

小型犬の場合
主食の材料の1つ
150gまで
おやつやトッピング
30gまで
中型犬の場合
主食の材料の1つ
250gまで
おやつやトッピング
50gまで
大型犬の場合
主食の材料の1つ
500gまで
おやつやトッピング
100gまで
子犬の場合 ごく少量ずつ与える
老犬の場合 ごく少量ずつ与える

犬に馬肉を与える際の注意点
馬肉のおすすめの与え方

Photo by @ciel_615

生のまま与えることは避けるようにしましょう

馬は牛や豚などの他の動物と比べて体温が4〜5℃程度高いため、牛肉や豚肉に比べて馬肉はO157やサルモネラ属菌などの大腸菌が検出されにくいことにより、いわゆる「馬刺し」のように生で食べることが好きな飼い主さんもいると思います。しかし、馬の生肉には「ザルコシスティス・フェアリー」という、犬と馬に寄生する寄生虫が存在している可能性があり、馬刺しを食べた人が下痢や嘔吐などの症状を訴えたという事例が報告されています。

この寄生虫は冷凍処理をすることで死滅するため、愛犬に馬肉を与える際は冷凍処理されている商品を選び、念のため加熱して与えるようにしましょう。

アレルギー反応に要注意

馬肉は牛肉や豚肉に比べて低アレルゲンの食品といわれていますが、犬によっては馬肉を食べることで食物アレルギーを起こしてしまうケースも考えられます。よって馬肉を初めて与えるときは飼い主さんが愛犬の様子をよく観察することができて、かつ動物病院が診療している時間帯を選ぶことをおすすめします。

また、初めてでなくても馬肉を与えた後に下痢や嘔吐、目の充血や皮膚をかくといった症状が見られた場合は与えるのをやめてすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

与えすぎに要注意

馬肉は、低カロリーにも関わらず栄養素が豊富なため、つい愛犬の健康維持を期待してがたくさん食べさせたいと感じるかもしれませんが、馬肉だけでは摂取できる栄養素が偏ってしまうため、与え過ぎはかえって健康に悪い影響を与えてしまうかもしれません。

また、好き嫌いが激しい犬の場合は馬肉ばかり食べすぎた結果、ドッグフードを食べなくなる状態に陥ることも考えられるため、注意が必要です。

味がついている馬肉の加工食品は与えないようにしましょう

最近の馬肉ブームにより人間用の馬肉を用いた加工食品も多く販売されていますが、これらの加工食品には塩や砂糖、香辛料などによって味つけがされており、犬が食べた場合には塩分過多や肥満といった健康に悪影響を与える危険性が高くなります。

愛犬に馬肉を与えたい場合は必ず犬用と記載された商品を与えてくださいね。

こんな時は犬に馬肉を食べさせないこと

栄養価が高く、低カロリーな馬肉ですが、何かしらの持病がある場合には馬肉に含まれている成分が健康状態を悪化させてしまう可能性もあるため、必ず与える前にはかかりつけの獣医師に相談してからにしましょう。

Photo by @tsukimichan82

まとめ

基本的に馬肉は犬に与えても問題がなく、また健康維持のためには積極的に与えたい食品でもありますが、冷凍化されたものを加熱して与える必要があります。また、健康に良いからといって与えすぎにも注意する必要があります。

愛犬が馬肉を好むようならば、馬肉をメイン材料としているドックフードや、犬用の馬肉のおやつ、トッピングを選ぶことをおすすめします。

Supervisor

松本 千聖 Chisato Matsumoto

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、3年ほど獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社では保険金査定業務などに従事しました。
現在は、製薬関係の業務に携わり、プライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理を行っています。

松本 千聖
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