【増田先生のワンコno世界】
犬が動物病院を嫌いな理由と、病院嫌いを克服する方法

病院嫌いを克服する方法って?うちの子の病院嫌いどうにかなりますか?

東京農業大学教授の増田先生と一緒にお届けする、ワンコともっと良い関係を築くためのヒント。
ワンコから見えるモノゴト、ワンコの考え方、感じ方など、
ワンコたちに見えている世界を私たちにも見せてくれる増田先生シリーズ「ワンコno世界」。
第4回は、「これについて教えて欲しい!」という声の多かったワンコの病院嫌いについてです。
病院に行くとわかるとブルブル震える、必死の抵抗をするなど、そんな病院嫌いの子多いみたいです。
今回は増田先生にその理由を伺いいました。

Introduction

多くの獣医さんは、動物が好きで、獣医師の道を志したはずです。私もその一人ですが、動物を診療・治療するときに、なぜこんなに大好きな動物に嫌われないといけないのか、とジレンマを感じた経験が、獣医なら少なからずあるはずです。動物の病気を予防・治療する獣医師としての使命と、動物を好きな気持ち。

その間に抱く葛藤とうまく付き合うことが出来ない時期を努力で乗り越え、この子が家族と幸せに暮らしていけるなら、自分が動物に嫌われるのも致し方ない。と割り切って、獣医さんは日々の診療にあたっておられるのです。そんな獣医さんたちに敬意を表しつつ、病院嫌いの原因と対処法を探っていきましょう。

どうだった? ボクはその時 何してた?

Advisor

増田 宏司 教授

東京農業大学 農学部 動物科学科 教授。東京大学大学院を修了後、同大学院で学術研究支援員を務め、2006年から東京農業大学で研究と学生への指導を行う。研究だけでなく、飼い主向けのカウンセリングやワンコのしつけに使えるグッズの開発など、ワンコと飼い主が幸せに暮らせる社会を築くため、幅広く取り組んでいる。

Question 01

ワンコたちはなぜ病院が嫌いなんでしょうか?

Answer

答えは簡単「イヤだから」です。

結論から言うと、犬が動物病院を嫌いな理由はズバリ、「イヤだから」です。
では具体的に何がイヤなのか。大きく2つに分類できるでしょう。

01 病院の匂い、
苦手なひと・こと・ものが、
いつ行っても病院にあって、その都度イヤ(恐怖)

知らない人や犬がいる、嗅ぎなれない匂い、聞きなれない鳴き声がある、他人や動物に凝視される、飼い主さんの様子がなんだかいつもと違う、いろんな動物の匂いを付けた人(獣医さん)に押さえつけられる(保定される)、触られたくない場所を触られる、チクッとするなど、実際にそこにある具体的なものやことに対して嫌がっています。これらとその時々の嫌悪記憶をつなぎ合わせて、やがて病院を嫌いになっていきます。

聞くだけで 震える言葉 ホスピタル・・

02 過去の嫌悪経験があるからイヤ(不安)

経験した多くの嫌な思いが原因で、病院自体にネガティブな印象を抱いており、病院に行く時にだけ起きる状況が引き金となって不安を感じています。車に乗せられる、クレートに入れられるのは病院に行く時だけ、病院に行く日は飼い主さんが落ち着いていない、など、愛犬に、「病院に行く時だけ」の経験をさせていないでしょうか?ほとんどの病院嫌いの犬は、01と02、どちらも持ち合わせています。

アレかしら・・ きっとそうだわ ホスピタル

Question 02

飼い主でもできる、ワンコの動物病院嫌いを
克服できる方法があれば教えて欲しいです。

Answer

一度嫌いになったものが、いつも嫌なことをしてくるわけではないと学習させることです。

個々に病院嫌いの原因があるので、対処法は異なりますが、まずはあなたの愛犬が、具体的にどのような対象や状況に慌てるのかを把握することで、病院嫌いを克服する手掛かりになります。
例えば、病院に行く時だけ車に乗せる場合や、病院に近づくと犬が動揺する場合は、病院に行かない日にも車に乗せる、散歩の途中に病院の脇を通る(病院には立ち寄らない)など、普段の生活の工夫によって、犬の心に定着した、「こんな時は不安」な気持ちを徐々に薄れさせていくことが期待できます。
つまり、一度嫌いになったものが、いつも嫌なことをしてくるわけではないと学習させることが、苦手なものを克服させる方策の一つですが、ここでは私が全ての飼い主さんに共通して行ってほしいことを紹介します。

「少なくとも何も起きない待合室」の
雰囲気作りに協力しましょう。

たまたま待合室で同席した犬や猫は、もしかすると病院が苦手な子かもしれません。かわいいその子を凝視したり、話しかけたり触ったりしたい気持ちを少しだけ抑えて、イヤなことは何も起きない状況(静かにするだけ)を作ってあげてください。不安で仕方がないその子のために、周りがそっと協力してあげてほしいのです。

騒がない 取り乱さない 待合室

Message for dog owners

犬にとって理想の病院は、イヤなことが最小限かつ楽しいことが最大限な場所、でしょう。
人間には、「当たり前で、贅沢すぎる条件だ」と思えるかもしれません。そう感じる原因は、病気を治さないといけないことを理解できるからです。

以前に紹介しましたが、人間と犬の物事の捉え方は異なります。犬に病院で「大人しくしなさい」だけでは通用しないのです。
ならば、犬が落ち着いていられる状況すなわち、病院を「嫌なことはほぼ起きない」+「楽しいことが起きる」場所にする努力をしてみましょう。

散歩の道筋に病院があるなら、通り過ぎるときにおやつをあげてもいいでしょうし、待合室で出会った犬や飼い主さんとイヌ友になって、病院前で待ち合わせてもいいでしょう。ここでは良いことが起きる、を、工夫して提供してあげてください。
個人的には、地元の動物病院のご依頼を受け、お昼の時間(診療の合間)に待合室で「何もしない・何もおこらないしつけ教室」を10年ほど続けています。犬や飼い主さんと待合室で雑談するだけですが、犬たちは毎回楽しそうです。かかりつけの病院に提案して、楽しい場所の要素に好きな人(スタッフさん)を加えてもいいかもしれませんね。

好きな人 落ち着いた場所 ホスピタル

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