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ワンコも飼い主さんも病院も幸せになることが理想
そのために必要なものは「やさしさ」と「温かさ」

原宿動物病院 安藤義史 院長

安藤先生とnowa

2020年7月、ワンコnowa編集部の事務所のすぐ近くにオープンした原宿動物病院。
編集チームのメンバーがいつも前を通っていて、この近さには何か縁があるのではないか、と感じたのが始まりでした。
ワンコnowaで一緒にコンテンツを作れるかもしれないと思い立ち、病院に伺ったのです。
ドアが開くと、目の前には診察室。そこにいたのが、安藤義史先生でした。
寡黙な先生かと思いきや、話してみると穏やかで素朴な人柄が垣間見え、メンバーのひらめきは間違っていなかったと感じさせてくれました。
とっても照れ屋ですが、ワンコと飼い主さんに真摯に向き合っている先生です。

Interview

#01きっかけ

安藤先生が獣医師を目指したきっかけから、教えていただけますか?

獣医師という将来は考えたことがありませんでした。特にやりたいことも見つかっていなかった中学生の時に、母が乗馬体験のチラシをもらってきて、体験に行ったことがきっかけで、乗馬クラブに通い始めたんです。

そこで、獣医師という職業を知ったのですか?

そうなんです。その頃は学力が足りなかったので、ひとまず普通科の高校に進んで、3年間馬術部に所属しました。毎朝4時起きで部活に精を出して、インターハイにも出させてもらったり。その後、北海道の大学の獣医学部に入って、獣医師を目指しました。

乗馬に熱中して獣医師を目指したということは、当時は馬のお医者さんを志していたのですか?

はい、馬が好きでしたね。中学生の頃からずっと目標にしてきましたが、現実は甘くなかったです。大学で学んでいる間に馬の獣医師の門は狭いことを知ったので、獣医師として現場に出るのではなく、研究の仕事に入る道を選びました。
そして、30代に入ったタイミングで、動物病院で獣医師として働く方が堅実ではないかと思って、その道でチャレンジしてみようかなと。とはいっても、馬を専門としてきたので、犬種や猫の種類を覚えるところからのスタートでしたね。

1からのスタートだったのですね。やはり馬とワンちゃんやネコちゃんだと、全然違うものですか?

違いますね。当時は、ワンちゃんやネコちゃんが苦手だったこともあって、どうしようかと思いました(苦笑)。でも、決めたからにはやるしかないなと。

#02ペットを飼う魅力

いざ動物病院で働き始めてからは、順調に進んでいきましたか?

研究をしていた頃は、飼い主さんと接することがなかったんですよね。だから、動物病院で働き始めて、毎日飼い主さんと接していく中での気づきが多かったです。ワンちゃんやネコちゃんは伴侶動物として、思っていた以上に人と近く、密接な関係を作っている存在なんだなって。

ワンちゃんやネコちゃんを家に迎える魅力を、改めて知っていったのですね。

そうですね。家族として迎えた子が元気や癒しを与えてくれるんだと、実感しました。一緒に生活することで人も豊かになるんだなって、常々感じています。

大切な存在ですよね。これまでの動物病院での経験で、忘れられないエピソードはありますか?

飼い主さんから「ありがとう」と言っていただいたことは、すべて思い出深いです。ただ診断や治療をするのではなく、最終的に飼い主さんが納得した状態でペットが元気になることが、やりがいにつながりますよね。
1つ思い出したんですが、皮膚病の診療で来たボストンテリアの子が、状態を診ている間もずっと僕の顔を舐めてたんですよ。その姿がかわいらしくて、楽しくなったこともありました(笑)。

#03大切にしていること

原宿動物病院のモットーなどはありますか?

飼い主さんが入ってきた時に緊張感を与えず、安心できる病院でありたいと思っています。そのため、“やさしく温かく”あることは心掛けていますね。言葉にすると照れ臭いですけど、ツンとした態度の病院はイヤじゃないですか。
飼い主さんの中には「こんなこと言ったら先生に怒られるんじゃないか」って思って、ワンコの状態や生活環境に関して、すべてを話してくれない方もいます。そういう不安を拭いながら、全部話し切ってもらえるように、診察は意識しています。

飼い主さんが話しやすい雰囲気を作るために、どのような意識をされているのでしょう?

ややトーンを上げて、ゆっくり話すことですね。あと、飼い主さんの気持ちを先回りして察するというか、話しながら「費用を気にしてるのかな」「治療法を重視してるのかな」と考えるようにしています。飼い主さんの方針に合わせていきたいので。
飼い主さんが緊張しているとワンコも緊張してしまい、診察が難しくなるケースもあるので、ワンコに話しかけることもよくあります。触診や注射の時に悲しそうな目で見てくる子がいるんですが、「そういう目で見てきますか」って話しかけると飼い主さんの緊張が解けることがあって、ワンコの安心感にもつながるかなと。

お話を聞いていると、すごく丁寧に診察されていることが伝わってきます。

“やさしく”には、手を抜かないという意味もあると考えています。診察にもコミュニケーションにも手を抜かず、治療の進め方に迷う飼い主さんがいたら、複数の治療法と費用を説明して、一緒に考えていきます。
一方で、「手を抜かない分、待たせてもいいだろう」という考え方も違うと思うので、テキパキ動くことも心掛けていますね。待ち時間が少なくてすぐに帰れる方が、飼い主さんやペットの負担も減るので、丁寧さとスピード感のバランスは大切にしています。

#04これからのこと

原宿動物病院を開業されて1年半が経ちますが、どのような病院にしていきたいと考えていますか?

ずっと続く病院ですね。今の場所にあり続けることが、地域の飼い主さんのためになるだろうと思っています。まだ1年半なので、基礎を作る段階なんですけどね。

安藤先生の丁寧な診察を求めてくる方が、これからさらに増えていくのでしょうね。

そうなるとうれしいですね。あとは、病院だけでなく、飼い主さんもペットもみんなが幸せになれる病院でありたいです。病気を治すだけではダメで、飼い主さんが納得した方法で、ペットが元気になって、病院もより良い治療法につながる新たな発見をしていけることが最良だと思うんです。
そして、飼い主さんにもペットにも幸せになってほしい。ペットが元気だと、飼い主さんも元気になるんですよ。

安藤先生の周りには、やさしく温かい「wa」が広がっていきそうな気がします。

獣医師だからといって上から物を言うのではなく、やさしく温かくありたいですね。そして、互いを大切にし合って、人や動物といった垣根を超えた輪を作っていけたらいいですよね。

Profile

安藤 義史 院長

原宿動物病院院長。大学卒業後、馬の体や再生医療に関する研究を行う。2013年から東京都および埼玉県の動物病院で経験を積み、2020年7月に原宿動物病院を開院。“やさしく温かく”をモットーに、診断を重視した安心感のある病院作りに努めている。

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